身体能力を伸ばしていくためには総合的なトレーニングが必要という考えから、からだの地図帳ではこのたび院内の一室をトレーニングルームとして改装しました。アフターケアだけでなく、積極的に身体能力を伸ばすサポートする、という願いの実現に向かって、一歩を踏み出しました。広さ約１０畳の室内に、様々な機能を備えたトレッドミルを設置、体力づくりの基本であるランニングができます。

　からだの地図帳は多くのアスリートたちのサポートを行っていますが、その中に２０２０東京パラリンピックの陸上競技<Ｔ１１クラス>（全盲）で選手出場を目指す唐澤剣也君がいます。彼はロードやトラック練習でのハンディを克服するため、トレッドミルを購入しました。その設置場所として、からだの地図帳がスペースを提供することとし、同時にトレーニングとアフターケアの基地となるようにしました。コーチングやガイドランナーなど、あらゆる面からサポートするための連絡事務局の機能を果たせるように努めています。

＊唐澤選手は2021年に延期された東京パラリンピックで見事銀メダル（5000メートル））を獲得しました。そのほか、各種大会の入賞記録はこちらに詳しく掲載しています。

　このトレーニングルームには、筋トレなどの器具も備えています。まだ小さな施設ですが、鍼灸施療との相乗効果が期待できます。なお、トレッドミルは、本人の厚意を得て空いている時間帯は当院に通院されている方も自由に使えるようにしております。

　トレッドミルの主なプログラム機能

1. 走行時間が表示されます。トレーニングの目安にできます。
2. 消費カロリーの表示ができます（１キロカロリー単位）。速度やユーザーの体重、年齢などの条件で異なります。
3. 速度の設定。使用者が目標値を設定してトレーニング効果をあげていけます。
4. ラップ。一周４００メートルのラップタイムがモニター画面にイメージで表示されます。
5. サークル（周回）。５０メートルごとにランプが点灯し、４００メートルを超えると周回が加算されます。
6. 心拍数の表示。センサーで計測した数値を毎分あたりの心拍数で表示します。
7. 傾斜の設定。実際のロード状況のシミュレーションが登り下り±１２度の範囲で。
8. 走行距離。０.０１キロメートル単位でトータルを表示します。

◆ランニングベルトの角度調整により、上り坂、下り坂など、コースの状態に合わせたシュミレーションができます。	◆コントロールパネルは視覚的にわかりやすい表示ボタンが合理的にレイアウトされています。

　上述のように、からだの地図帳は、２０２０年の東京パラリンピックの陸上競技・視覚障害T１１クラス出場を目指して日々トレーニングを続けていいる唐澤剣也さんの挑戦をサポートしています。

　唐澤さんは１０歳の時に網膜剥離で失明。県立盲学校小学校４年に入学、高校・理療科を経て鍼灸・マッサージ師の資格を取得しました。その一方で陸上競技の中長距離をもう一つの自己実現の道として選び、トレーニングを開始、日々トレーニングを続けています。＞プロフィールなど詳しく

　写真の右が唐澤剣也さん、左はこの日伴走者として当院に来られた星野和昭さん。２０１６年スカイランニング世界選手権日本代表選手として星野さんをご存知の方は多いと思いますが、伊勢崎市在住ということもあり、仕事と競技活動の合間を縫って、伴走ボランティアとしてのサポートを買って出てくださいました。＞詳しく

　からだの地図帳を連絡拠点として、ボランティア伴走者はじめ、計測・記録の方たちがトレーニングに参加しています。ハンディを少しづつ乗り越え、目標に向かって日々励むことは、サポーターの側にも大切なものをもたらしてくれます。